強み理論 第2章 強みを発掘する

2-4. ジョブ・フィードバック

ジョブ・フィードバックは、過去の仕事や作業から強みを発掘する方法です。発掘される強みは、仕事や活動に直結しやすいという特徴があります。

ジョブ・フィードバックの実例

実際にジョブ・フィードバックで見つかった強度の高い強みを紹介します。
「上手くできたこと」というと能動的な強みばかりのように思いますが、上手くできたことリストを並べてみた結果「存在の強み」という「居るだけでいい(うまくゆく)」強みを持っている人がいました。この強みは、「本人が居るだけで、お願いしなくても勝手に周りが良いように動いて(働いて)くれる強み」で、本人はその場に居るだけでよいというものです。
人は自分の存在価値を証明したいというメカニズムを持っているので、何もしなくても上手くいくと言われても、何かしたくなったり、何もしないなんて良いのだろうかと不安になったりします。しかし実際には、その場に居るだけで物事が上手く運ぶのです。

ワーク用資料

ジョブ・フィードバックは、強みの特徴である「できてしまう」という物事を過去から取り出します。作業や仕事をしていたとき、易々とできてしまったことや、あまり自覚はなかったのに大きく褒められて戸惑ったことや、うまくできると気がついたことなどを思い返すようにしてみてください。

記入見本付きワークシートは無料で配布しています。下記からお申し込みください。見本を参考に、あなたの強みを書き出すようにしてください。
用紙が足りなければコピーしてお使いください。

この方法で強み発掘する場合の注意点

(1)容易に達成したこと、褒められたことなどを幼稚園、小学生、中学生〜などを時系列で思い出す。
(2)近年の仕事、作業はなるべく詳しく状況や気持ちを書き記す。
(3)現実に起こったことだけを書き記す。どのようにしようと思ったか、どのように評価されたと感じるかなどの推測・推察は一切排除する。

ジョブ・フィードバック《ワーク1 手順》

1. シートを用意

「ジョブ・フィードバック用ワークシート1」を用意してください。

 

2. 過去うまくできてしまったこと

「過去うまくできてしまったこと(作業・仕事)に、年齢の幼いころからのことを思い出して要点を書き込みます。(見本の②欄)

3. 強度をチェック

書き出した項目の中でも、特に強く「素晴らしかった」と思えるものは、「強度」の欄に○を書き入れます。(見本の③欄)

4. 傾向

それぞれの項目で共通するもの同士をアルファベットでくくり「傾向」の欄に書き入れます。(見本の④欄)

ワーク 1 の作業はここまでです。
時間に余裕を持ってじっくりと取り組むようにしてください。

仕事にリンクする強みの実例

実際にジョブ・フィードバックで見つかった強みを紹介します。
小さな頃から、オール5が当たり前、転職するたびに年収が上がっているという女性がいました。
彼女のジョブ・フィードバックから出てきた深い強みは、「最小・最大成果の強み」でした。最小にして、最大の成果を得るわけですから、ある意味最強です。
彼女は、また「適合する」強みを持っていたので、使いやすい表面上の強みを次々と適合させて、最小の力で最大の成果を得ていたのでした。

ジョブ・フィードバック《ワーク2・3・4 手順》

5. シートを用意

別紙「ジョブ・フィードバック用ワークシート2、3、4」を用意してください。

 

6. 過去のできごと〜内容を記入

ワークシート1で、アルファベットでくくったそれぞれの項目を「【Aでまとめたもの】過去のできごと〜内容」に書き込みます。(見本の⑥欄)

7. 強度の数を記入

「強度 個」の部分に○を打った数を記入します。(見本の⑦欄)

8. 強み予想・分析

「強み予想・分析」のところに、何が共通するのか、どのような傾向があるのかをまとめ、 強みを言葉にして表します。(見本の⑧欄)

9. 強度の強い順

ワークシート4に、強度の強い順に強みを書き出します。(見本の⑨欄)

10. 本質的な強み

表面上の強みではなく本質的な強みを丸で囲み、共通するものは線で結びます。(見本の⑩欄)

ここまで全て記入したらジョブ・フィードバックをいったん終了し、次にフィードバック分析を行います。

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