子育てサークルや保育園、幼稚園、学校などの参観日に、子供たちを客観的に観察したことはありますか?自分の子供がいるとついそこに目がいき、他人の子と客観的に比較することは少ないかもしれません。ですが、子育てにおいて「他人の子供と比べる」ことは、子供の個性をはっきり自覚できるチャンスなのです。

他人と比較することは、決して悪いことではありません。単純に事実を事実として比較する事が重要なので、「これはできるから良い」「これはできないからダメ」とジャッジする事とは異なります。

今回は子供の個性を生かしたい子育て世代の方が、必ず知ってほしい子供の個性の伸ばし方について、重要な3つのポイントをお教えしたいと思います!

1)ルールの軸が「自分」か「他人」か

ルールを守るときに、ルールの軸になるのが「自分」なのか「他人」なのかでうまくいくかどうかが変わります。ルールの軸になるのが自分か他人か、どちらが良いとか悪いとかそういう問題ではなく単なる特性の違いです。その違いがわかると、うまくいくにはどのように導けば良いかわかるでしょう。

「自分ルール」でうまくいく子

「自分ルール」でうまくいく子は、自分でどんどんルール化して動いていきます。先生から「ここにある材料は何を使っても良いので、好きなように工作しなさい」と言われると、目の前の材料を使い、どんどん作っていきます。作りながら、次どうしようかな、と考えます。

こういうタイプの子供は、自分はどうしたいか、どういうルールにするかを決めさせると、ルールを守ってうまく動くことができます。他人のルールを押し付けようとすると、反発したりなかなか守る事ができなかったりする事も。まずはどうしたいか、どうしたら良いかを考えさせて、ルールを自分で作るようにすると良いでしょう。

他人ルールでうまくいく子

「他人ルール」でうまくいく子は、ルールを作ってもらうと動くことができます。先生から「ここにある材料は何を使っても良いので、好きなように工作しなさい」と言われても、何をどうして良いのかわからず、動くことができません。「こういうテーマで作ったらどうか?」と提案すると、そこからイメージを膨らませて適した材料を見つけ、作業に取りかかる事ができます。

一見、枠がないと動くことができずに「自力では何もできない子だ」と思われがちですが、こういったタイプの子供はルールを作ってもらうとそこに忠実に従うことができるので、ルーチン化して続けていくことができます。

2)体のどの感覚が優れているか

視覚、聴覚、体感覚(触覚や嗅覚、味覚)のどれが優れているかによって、物事の習得方法が変わります。どういうことなのか、詳しく見ていきましょう。

視覚の優れた子

視覚が優れている子供は「見るようにわかる」ので、イメージを作ることが上手です。イメージした情報を伝えようと、身ぶりや手ぶりで表現しようとします。そういったしぐさが多い子は、視覚から得た情報をイメージ化して理解することが得意なのかもしれません。

ですので、図形を見せたり、動画を見せたりして、イメージさせると覚えることが簡単にできるでしょう。

聴覚の優れた子

聴覚が優れている子供は「聴くようにわかる」ので、聞いた情報をそのまま理解します。文字情報も耳から聞く「言葉」に関連するので、文字や文章に強い子になるでしょう。言葉でなんとかうまく表現しようとします。独り言が多い子は、このタイプかもしれません。

説明を聞くと覚えるので、説明してあげるのが有効です。自分で読んで覚えるのも良いでしょう。

体感覚の優れた子

体感覚(触覚や嗅覚、味覚)が優れている子は「感じるようにわかる」ので、体が感じたことを覚えます。触れたり体験したりすることで記憶するのが得意なので、実際にやらせてみるのが有効です。体感覚をしっかり感じることができるように、なるべく急かしたりせずゆっくり話をしてみてください。

体感覚が優れている子は、言葉が出るのが遅い傾向にあります。感じたことの情報量の多さが、自分の表現できる言葉と一致していないからです。情報処理が追いつかず、言葉で表現できないためうまくしゃべることができません。

言葉が少し遅いなと思っても、心配しなくて良いケースがほとんどです。子供がどのように感じているのか、よく観察してみると良いでしょう。

3)「学ぶ」のが得意か、「教わる」のが得意か

「学ぶ」ことと「教わる」ことは、違います。「学ぶ」のは能動的に情報を習得しようとするのに対して、「教わる」のは受動的に情報を得ます。これも、どちらが良いか悪いかではなく特性が単にそうであるというだけなので、どのように習得させたらうまくいくかを丁寧に見てあげると良いでしょう。

「学ぶ」のが得意な子

学ぶことが得意な子は、自分で考えて答えを導く、成果を出すことができます。ですので、手順を全て教えてしまうよりも、自分でどのようにしたら良いか考えさせると良いでしょう。理解するかどうかよりも、考えて答えを導くことを重視すると良いです。

学ぶことが得意なタイプの子は、手順通りに習得するような物事を教えると自己流になってしまうことがあるので、注意した方が良いでしょう。

「教わる」のが得意な子

教わるのが得意な子は、理解し習得することが得意なので、手順を説明し理解させるとよく覚えることができます。このタイプの子は、自分で考えて答えを導くのが苦手な傾向にあります。
ひとまず自分で考えさせるのではなくて、どういうことが成果になるのか教えてあげると良いでしょう。

まとめ

子供はよく観察すると小さい頃から特性を発揮していることが多々あります。細かいことでも他人と比べてみると、これは簡単にできるがこれはなかなかできない、など一人ひとり違いますね。

できることもできないことも、全てその子の個性です。できないには理由があり、弱みだからできないケースと、実はそれが強みにつながっているケースとさまざまです。できるから良い、できないから悪いというわけではありません。

参考:強みとは?

大切なのは、他の人とは違う個性がなんなのか親がいち早く気がついて、伸ばすべき個性は伸ばしてあげること。今回は、見ると良い3つのポイントについて説明しました。どうしたらうまくいくのか、親が特性を見極められたら良いですね。それにはまず、よく観察することから始めましょう!