ビジネスで売上を上げるために必死に勉強しても、使いこなせている感じがしない、自分のやっていることがよくわからない、という人は多いのではないでしょうか。
なぜ、得たノウハウを正しく使いこなせずに、売上を上げることができないのか。それは、自分のビジネスに正しく落とし込めていないからです。それには事実をしっかり見ることが必要なのです。では自分のビジネスに落とし込むには、どうしたら良いでしょうか。詳しく見ていきましょう。
事実を見ずに想像で補っていないか
どうして、独学やセミナーなどで学んだことが自分のビジネスに落とし込めないのでしょうか?それは、学んだことを落とし込むために、想像力を使っているからです。詳しく解説します。
想像力で補うとどうなるか
人は多くの場合、何かを学ぶときに想像力を使います。想像力とは何かを予想したり、今後の戦略を考えたり、問題解決のための仮説を立てたり、相手を洞察したり、心理を読んだりすることです。空想も想像と言えます。
学んだ内容を実践したらどうなるか考えるのは、想像ですよね。想像や予想、洞察は今まで自分がどんなことを経験してきたかが大きく影響します。仮説は、思い込みや期待が入ることがあります。過去うまくいったことが戦略に影響を与えるし、個人の特性によって心理や空想は異なります。
何かを学ぶときに一番重要なのは、想像力に頼るのではなくて事実を見ることです。事実をみるとは、顧客の声をしっかり聞いてデータを集めること。そのデータをしっかり見ることができないと、想像力に頼ってしまいます。
類推や憶測で現実を都合よく解釈し、正当化してはうまくいくはすがありません。学んだノウハウを自分のビジネスに当てはめて利用できるかどうか、想像に頼って都合よく歪めてはいけないのです。
一見正しく見える解決策
ビジネスがうまくいかないとき、その理由を考えるためにうまくいった人の事例をもとにして、その手法を取り入れて改善すべき点を探り、どう仕切り直すか考える人は多いでしょう。
または、うまくいかない原因を過去の自分の経験に照らし合わせて、どのように改善するか考えるのではないでしょうか。
例えば、売上を上げるにはSNS投稿を増やすべきで1日5投稿しましょうという、ノウハウに従ってSNS投稿に注力したり、今まで顧客に直接会って営業した方が売れていたから、顧客がどんなに増えても直接会わなければ、と過去の必勝パターンを繰り返したりします。
一見正しく見えるこの選択は、どちらも想像です。前者はSNS投稿を増やしてビジネスがうまくいった人のノウハウで自分の問題が解決できると想像しているだけですし、後者は顧客と直接会うという成功パターンを繰り返せばいいんだ!と、過去うまくいった方法をなぞることのみが正しいと想像しているだけです。
ビジネスで思うような成果が出せない時は、うまくいったやり方を元に希望的予測を立てて動きたくなってしまいます。しかし、希望的予測こそ想像です。事実をみましょう。
仮説が正しいのにうまくいかない?
自分が学んだことや過去の経験からから想像する仮説がうまくいかないと、見当違いの努力をしてしまいます。
仮説が正しいかどうかもわからないのに、継続しなければ成果が得られないとか、努力と根性が足りないからだとか、こんなことで挫けたらかけたお金がもったいないから続けるとか、余計なことを考え始めます。
他にも、自分の考え方に問題があるから自分自身のマインドを変えようとか、顧客のウケがいいキャッチコピーがないからだ、などの的外れな理由を作り、さらに頑張ろうとし、さらに失敗します。
そもそもの前提が間違っている
学んだことから想像される物事を基準にして仮説を立てるのは、前提を見誤っています。事実を前提にすべきなのです。多くの人は、この視点に欠けています。
事実を知るための手段は、丁寧なヒアリングです。聞いたことを、自分の想像力で解釈を入れてはいけません。ただ、ヒアリングしてありのままを知る、それだけです。ただ、相手の言うことに耳を傾けてください。目的を持って聞きうわべの情報から判断すると、ほんの少しの事実から想像したものを正当化してしまいます。ヒアリングを重ねて言われたことを数多く集めると、なんとなく全体の傾向がわかります。そこでやっと事実が見えてくるのです。
学んで知識を増やせば、売上が上がるわけではありません。お金をかけて学んだからビジネスがうまくいくわけではないのです。学ぶこと自体は悪くないのですが、学ぶことと自分の周りの事実を集めることを両方やらないと、うまくいかないからまたお金をかけて学んで・・・と同じことの繰り返しになっていきます。
事実を集めるには時間がかかる
丁寧にヒアリングをして周囲の声を集めるのは、時間がかかります。行動が遅れる原因になりますよね。人は行動が遅れると不安になるので、早く現状を変えようとして聞くことをやめてしまいます。聞くことをやめるとどうなるかは、もうわかりますよね。結局は想像力でカバーしようとするので、負のスパイラルです。
早く行動することが正しいと思い、時間がかかるヒアリングを軽視するとビジネスの前提を間違えてしまいます。じっくり取り組むべきことには時間をかける必要があります。不安に負けてはいけません。
誰に聞けば良いのか?
ヒアリングすべき相手を間違えると、ビジネスが広がりません。ビジネスをスタートするときに、商品サンプルを家族や親しい友人に渡してヒアリングしても無駄です。相手があなたに気を遣ったり親切心を出したりして、正確な情報が集められないからです。
また、明らかに自分の商品を買わないだろうな、と言う人たちの声を集めるのも無駄です。注目すべきは、自分の商品を買うか買わないか、どちらに転ぶかわからない人たちの声です。親や友人など身近な人と、自分とは無関係で商品も買わない人との中間に位置する人、中間層の声をたくさん集めましょう。
ということは、どのような人たちが自分のビジネスにとっての中間層なのかを把握する必要があります。中間層としてターゲットにすべきはどういう人なのか、具体的に書き出してみましょう。
まとめ
ビジネススキルや知識を増やした人は、それが自分に当てはまるのかヒアリングをして検証する必要があります。ヒアリングから自分にとっての事実を積み重ねることを怠ると、知識をもとに想像力に頼って事実とずれた行動をし、失敗してしまいます。
見当違いの努力を繰り返してもうまくいくはずがありません。事実を正確に把握して自分のビジネスに反映させるために、丁寧にヒアリングをして中間層の声を集めましょう。