「マネジメント」と言えば、ドラッガーを思い出す方が非常に多いのではないでしょうか。それほど、多くのマネジメントに関する著書がありますね。たとえ数人でも、人が集まればマネジメントは必須になります。

マネジメントする事を考えたとき、実は「強み」を無視して考えることはできません。ではその「強み」を生かしたマネジメントとは、どういうことなのでしょうか。

今回は、強みに注目したマネジメントについて考えてみましょう。

そもそもマネジメントとはどういうものなの?

まず、マネジメントとはどういうものなのでしょうか。なぜマネジメントが必要なのか、見ていきましょう。

マネジメントとは

マネジメントとは達成すべき目標のため、成果を得るために組織を円滑に管理し、統率していく、というもの。ときにはリスク管理も必要になることもあるでしょう。

ピーター・ドラッガーによると、著書の中でマネジメントを以下のように定義しています。
『組織をして成果を上げさせるための道具、機能、機関。』
参考:P・F・ドラッカー著、上田惇生訳『明日を支配するもの 21世紀のマネジメント革命』(ダイヤモンド社 1999年03月発行)

集団の中のそれぞれを、道具であり機能、機関ととらえると、それらをどう組み合わせて特性、個性を生かすことができるか、が成功へのカギとなります。

なぜマネジメントが必要なのか

会社など経済活動において、マネジメントは目標とした成果を得るために必要です。また家族でもお互い円滑に人間関係を築き、協力しあって家事をするなど、マネジメントの視点を応用できる場は多いでしょう。

自分にとって最高のチームを作った方が、1人でやるよりも何倍も効率的で大きな成果を得られますね。

個の力の集合、集団の力が圧倒的に大きくなるのは、個の力の足し算ではなくかけ算で集団の力が作られるからです。集団になると、集団の個性が生まれます。

この集団の力、集団の個性を十分に生かして目標である成果に向かって進み、お互いの力を借りてより良い環境を作るためには、個の力に注目することが大切になるのです。

マネジメントにおいて必要な視点

組織の中で、トップは常に「誰に、何を任せられるか」という視点が必要です。メンバーがどんなことが得意で、何に対して簡単に成果を出せているかを見ていき、常にこの人にはこれを任せようかな、と目を光らせていなければなりません。

また、メンバー相互の関係性を円滑にし、うまく物事を運べるようにしていくには、視野を広くして全体を把握する必要があります。「誰をうまく使えるか」を常に考え効率化をはかります。
どのような集団でも、クレームが来たりリスクを管理する必要が生じたりします。そういう時は何が問題かを探り、指示通り動いてくれる人を使って問題を解決します。
そこで、必要になってくるのがそれぞれの持つ「強み」を理解することです。

マネジメントでも重要な「強み」とは

強みとは、以下のように自分が簡単にできて成果が出せるものを言います。

「強み」とは、先天的に「できてしまうこと」。
努力や訓練なしに、なぜだか自分だけ「いきなり」高いレベルでできてしまうことです。ほとんど苦労せずに、他人よりもスムーズに優位に立つことができる物事のことです。

https://tsuyomisoken.com/tsuyomi/chapter1/tsuyomigainen/#1-2
1-2. 強みとは?

努力をしたり、訓練したりする事なく、最初から簡単にできる、というところが特徴です。強みで出来ることは、自分にとってはごく当たり前なので成果が出たとしても満足感が得られるわけではありませんし、達成感もないです。そして、ストレスもたまりません。

なぜ強みに注目するかというと、簡単に成果が出せるとわかっているからです。強みは、完全に自分だけのオリジナルの特徴であり、個性です。

目標にした成果を出し、効率化をはかり、問題解決がスムーズにいくようにするには、メンバーの持つ強みを使うことでお互い共同し、簡単に達成できるようになるでしょう。

うまく運ぶには「能力」に注目しすぎないこと

「強み」とよく勘違いされたり、同じようなものとして認識されたりするのが「能力」で、能力は強みとは全く違う性質ものです。

能力」は、後天的に「できるようになったこと」。
外の世界(会社や学校など)に適用するためや、自分をうまく運ぶために、身につける物事です。努力や訓練によってできるように「なる」ことです。

https://tsuyomisoken.com/tsuyomi/chapter1/tsuyomigainen/#1-2
1-2. 強みとは?

能力も、もちろん成果を上げることができますが、もともとは「自分にはないもの」を社会に適応するために獲得したものなので、本来の自分から離れてしまうことが多いのです。

能力を磨いて生かすというのは、もちろんやったら良いことではあります。しかし、能力に注目しすぎると、「本当の自分はこうではなかった」という葛藤に陥りやすいですし、社会に適応できる自分という狭い範囲の中でしか成果を取ることができません。

より大きな成果を簡単に得るにはどうしたら良いかを考えると、「強み」を生かすのが最善で最短の道になるでしょう。

物事がうまく運ぶための最強チームを作るには

自分を含めて組織を構成するメンバーそれぞれが、本来持つ自分の強みを生かして共同し、より良い環境を作ることができれば最強のチームとなります。それぞれが自分の強みを生かした成果に集中し、自分の成果を周りの人が生かしてくれ、良い循環ができるのです。

そのためには、できるだけ自分とは違う種類の強みを持つ人をメンバーに入れ、自分にはないところをカバーしてもらうように働きかけると良いでしょう。自分が苦手でできないことを無理やりできるようにする必要はありません。そこが、集団になる大きなメリットなのです。

まとめ

自分のチームにどういう強みを持つ人を入れるかで、自分がいる環境は大きく変わるでしょう。裏を返せば、自分自身が強みを生かすことで周囲の人に大きな影響を与えることと同じですね。

最強のチームを作り、共同して成果を上げていくためには、まずは自分の強みにも注目してみてください。周囲の人と比較すると、自分が感じている「当たり前」が周囲の人にとっては「当たり前ではない」ことに気がつくはずです。

ぜひ強みに注目して、集団においても圧倒的成果が出せるよう、最強のチーム作りをしましょう。